特集 鼠径部ヘルニア手術を極める
鼠径部ヘルニア手術のInternational Guidelines
嶋田 元
1
,
松原 猛人
1
1聖路加国際病院ヘルニアセンター
キーワード:
鼠径部ヘルニア
,
診療ガイドライン
Keyword:
鼠径部ヘルニア
,
診療ガイドライン
pp.121-131
発行日 2020年2月15日
Published Date 2020/2/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001532
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鼠径部ヘルニア手術は,わが国でも1990年頃よりメッシュを用いたtension free repairが導入され,その後,さまざまなデバイスが導入され,手術方法は百花繚乱である。厚生労働省公表の平成26年度から平成29年度のレセプトデータ1-4)では,年間約14.5~15.0万件,月間約1万件以上の鼠径部ヘルニア手術が行われ,鼠径ヘルニアは約14~14.5万件,大腿ヘルニアは約5,000件が施行されている(図1)。鼠径部ヘルニア手術における腹腔鏡手術の普及は目覚ましく,2014年度の24.6%から2017年度では36.2%と10ポイント以上増加している(図2)。鼠径部ヘルニアは手術以外に治療方法がないきわめて一般的な疾患であり,外科医にしか根治し得ない疾患である。よってヘルニア診療の結果を左右する多くの要因は外科医に委ねられていると言っても過言ではなく,ヘルニアの状態や患者の社会背景や好みに応じた適切な治療の提供が求められている。
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