特集 急性腹膜炎の治療戦略と手術
Ⅱ.原因疾患別の治療戦略 6)下部消化管穿孔(良性)による急性腹膜炎に対する手術
松橋 延壽
1
,
田島 ジェシー雄
1
,
木山 茂
1
,
浅井 竜一
1
,
松本 圭太
1
,
横井 亮磨
1
1岐阜大学大学院医学系研究科消化器外科・小児外科
キーワード:
下部消化管穿孔
,
良性
,
急性腹膜炎手術
Keyword:
下部消化管穿孔
,
良性
,
急性腹膜炎手術
pp.329-336
発行日 2024年3月15日
Published Date 2024/3/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003759
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下部消化管穿孔は,糞便性感染よる細菌性腹膜炎に進行すると,病態は全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome;SIRS)に始まり,敗血症,ショック,播種性血管内凝固(disseminated intravascular coagulation;DIC)症候群,多臓器不全に至ってしまうときわめて重篤な疾患となる。そのため,術後エンドトキシン吸着療法(polymyxin B direct hemoperfusion;PMX-DHP),持続的血液濾過透析を含めた集中治療に加えて,近年では敗血症診療国際ガイドライン(Surviving Sepsis Campaign Guideline;SSCG)に沿って,より詳細な治療方針を立てることができるようになった1)。したがって,外科医は下部消化管穿孔における最適な治療方針を決定し,患者救命のためのプロセスを作成することが非常に重要と考える。
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