手術手技
左半側臥位(Hybrid法)による胸腔鏡下食道切除術─臓器鞘を軸とした郭清
藤原 由規
1
,
遠藤 俊治
1
,
東田 正陽
1
,
岡田 敏正
1
,
吉松 和彦
1
,
上野 富雄
1
1川崎医科大学附属病院消化器外科
キーワード:
食道癌
,
内視鏡外科手術
,
臓器鞘温存
Keyword:
食道癌
,
内視鏡外科手術
,
臓器鞘温存
pp.1411-1414
発行日 2023年8月15日
Published Date 2023/8/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003472
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食道癌手術は,消化器癌のなかでも最大の侵襲を伴う手術とされ,術後合併症,とくに呼吸器合併症が多いことが報告されている。教科書レベルでは,術後呼吸器合併症の頻度は20~30%の記載があり,重症化すると手術関連死亡につながると記載されている(標準外科学 第15版)1)。呼吸器合併症を回避することは,食道癌手術の最大の課題であり,気管固有鞘の温存,気管支動脈の温存など,さまざまな努力がなされてきた2, 3)。近年の内視鏡外科手術の発展により,縦隔の解剖学の詳細が明らかになり,より繊細な食道癌手術が可能となった。筆者は1990年初頭より食道癌手術を始めたが,常に気管周囲の気管固有鞘,さらにその外側に存在する臓器鞘を可能なかぎり温存する術式を行ってきた。
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