特集 こだわりの体腔内縫合・吻合術
Ⅱ.胃外科 2)腹腔鏡下 / ロボット支援下幽門側胃切除後のRoux-en-Y再建
曽根田 亘
1
,
寺島 雅典
1
1静岡県立静岡がんセンター胃外科
キーワード:
幽門側胃切除術
,
Roux-en-Y再建
,
ロボット支援手術
Keyword:
幽門側胃切除術
,
Roux-en-Y再建
,
ロボット支援手術
pp.175-180
発行日 2023年2月15日
Published Date 2023/2/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003154
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幽門側胃切除後の再建法として,わが国ではBillroth-Ⅰ法(以下,B-Ⅰ法)とRoux-en-Y法(以下,RY法)が広く行われている。B-Ⅰ法は手技が簡便で手術時間の短縮が可能で,術後の栄養状態も良好ではあるが,縫合不全や吻合部出血のリスクが高く,さらに逆流性食道炎の頻度が高率であることが指摘されている。とくに残胃が小さい症例,術前から食道裂孔ヘルニアを有する症例では,術後逆流性食道炎の頻度がきわめて高く,B-Ⅰは禁忌と考えられている。RY法は手技がやや煩雑ではあるものの,残胃内への胆汁逆流がみられず,His角も保持されるため,逆流性食道炎の発生はきわめて少ない。術後栄養状態に関しても臨床上問題となるような差は認められていない1)。今後,内視鏡外科手術の適応が進行胃癌に拡大されることにより,内視鏡下でRY法が選択される機会が増加することが予想される。そのため腹腔鏡下 / ロボット支援下でRY法の手技を定型化し,手術時間の短縮を目指していくことが重要である。
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