特集 最先端の画像支援技術を用いた肝胆膵外科手術
リアルタイムナビゲーションを利用した肝切除
鈴木 修司
1
,
大城 幸雄
1
,
島崎 二郎
1
,
下田 貢
1
1東京医科大学茨城医療センター消化器外科
キーワード:
3Dシミュレーション
,
リアルタイムナビゲーション
,
肝切除
Keyword:
3Dシミュレーション
,
リアルタイムナビゲーション
,
肝切除
pp.1677-1682
発行日 2022年10月15日
Published Date 2022/10/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003005
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以前は,肝臓の脈管や腫瘍の位置などの関係をみる際には2D-CTを撮影し,この画像から専門医が脳でイメージした3D画像を構築し,さらに肝切除シミュレーションを行っていた。実際の肝切除の際に必要となる脈管解剖の把握には,経験と時間を要していた。しかし,近年の著しいIT技術の進歩により,患者個人の医用画像をSYNAPSE VINCENT(富士フイルムメディカル),ZAIOstation(ZAIO),AZE Virtualplace(AZE)をはじめとする3Dワークステーションを利用して画像構築を行い,術前外科手術シミュレーションが飛躍的に改善した。とくに消化器外科領域では,2012年に「肝切除手術における画像支援ナビゲーション」が保険収載となって以来,各施設での術前3Dシミュレーションのために画像支援ツールが導入され,解剖の理解とともに術前肝予備能検査にも利用されるようになった1)。今後の技術革新により,術前画像3Dシミュレーションを利用して,術中にカーナビゲーションのような手術支援ができるリアルタイムナビゲーションが期待されており,その現状について概説する。
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