特集 最先端の画像支援技術を用いた肝胆膵外科手術
ICG蛍光ナビゲーションを利用した肝切除
西野 裕人
1
,
瀬尾 智
1
,
波多野 悦朗
1
1京都大学大学院医学研究科肝胆膵・移植外科
キーワード:
ナビゲーション手術
,
蛍光ガイド下手術
,
インドシアニングリーン
Keyword:
ナビゲーション手術
,
蛍光ガイド下手術
,
インドシアニングリーン
pp.1667-1676
発行日 2022年10月15日
Published Date 2022/10/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003004
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
肝切除術において術前シミュレーションはすでに必須となり,術中ナビゲーションはここ数年で着々と進歩してきている。術中ナビゲーションの手段として仮想現実(virtual reality;VR),拡張現実(augmented reality;AR),複合現実(mixed reality;MR)などのXR(extended reality)と呼ばれる技術や人工知能(artificial intelligence;AI)技術などが期待されている1)。しかし,現時点でXRは術中の肝臓の動きや変形には対応できず2),また,AIは術野の情報のみしか利用できない。現在,術中ナビゲーションに最も頻用されているのは肝区域可視化や肝腫瘍同定に有用で,リアルタイムの情報を提供し得るインドシアニングリーン(indocyanine green;ICG)蛍光法である。ハンドヘルドカメラを用いた従来法では持続的なICG蛍光の描出は非現実的であったが,われわれが開発したMIPS(Medical Imaging Projection System)や,各社により開発されたICG蛍光標識対応の腹腔鏡システムにより,ICG蛍光画像が患者臓器に直接表示されることで術中リアルタイムナビゲーション実現の可能性が広がってきている。
Copyright © 2022, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.