特集 解剖学的変異を考慮した上部消化管手術
食道切除における右鎖骨下動脈起始異常─合併症回避と根治性を目指すアプローチ
上野 正紀
1
,
春田 周宇介
1
,
大倉 遊
1
,
浦辺 雅之
1
,
矢後 彰一
1
,
宇田川 晴司
2
1虎の門病院消化器外科
2虎の門病院分院
キーワード:
右鎖骨下動脈起始異常
,
非反回下喉頭神経
,
arteria lusoria
Keyword:
右鎖骨下動脈起始異常
,
非反回下喉頭神経
,
arteria lusoria
pp.1307-1314
発行日 2020年8月15日
Published Date 2020/8/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001824
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胸部食道癌手術において反回神経リンパ節は,比較的早期から転移がみられることからリンパ節郭清のポイントとなるリンパ節である。一方,反回神経麻痺は,肺炎など術後の重篤な合併症,長期的なQOL(quality of life)を損なう合併症を惹起する可能性があり,上縦隔・頸部の反回神経周囲のリンパ節郭清は神経を確実に同定・温存したうえで,慎重かつ丁寧に行う必要がある。右反回神経は右鎖骨下動脈を,左反回神経は大動脈弓をそれぞれ前方から後方に回って気管食道溝を上行して喉頭に至る。
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