特集 上部消化管手術におけるトラブルシューティング─困難症例・偶発症への対策
食道切除術後の早期広範囲胃管壊死に対する対処
小柳 和夫
1
,
小澤 壯治
1
,
二宮 大和
1
,
谷田部 健太郎
1
,
樋口 格
1
,
山本 美穂
1
1東海大学医学部消化器外科
キーワード:
食道切除術
,
胃管壊死
,
胃管血流
Keyword:
食道切除術
,
胃管壊死
,
胃管血流
pp.1119-1124
発行日 2021年6月15日
Published Date 2021/6/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000002288
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食道癌術後の再建臓器としては胃(管)の頻度が最も高く,胸骨後あるいは後縦隔経路で挙上されることが多い1)。頸部までの挙上性が胃管には求められるが,その一方で長い距離を必要とし,血流障害を引き起こす危険性も生じてくる。術後の縫合不全の原因として胃管の血流障害が考えられるが,縫合不全は局所的な創処置により改善することが多い。一方,胃管の広範囲の血流障害による胃管壊死は,頻度的には少ないものの,ひとたび発生すれば縦隔膿瘍,膿胸へと進展し,致死的となる重篤な合併症の1つである。
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