手術症例報告
膀胱・小腸浸潤にイレウスを合併した直腸癌に対し,ジャックナイフ体位での経肛門的内視鏡下骨盤内臓全摘術を施行した1例
山口 拓也
1
,
今井 稔
1
,
戸口 景介
1
,
外山 和隆
1
,
中川 朋
1
,
吉川 健治
1
1耳原総合病院消化器センター外科
キーワード:
ジャックナイフ体位
,
骨盤内臓全摘術
,
経肛門的内視鏡手術
Keyword:
ジャックナイフ体位
,
骨盤内臓全摘術
,
経肛門的内視鏡手術
pp.375-380
発行日 2021年3月15日
Published Date 2021/3/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000002108
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骨盤臓器浸潤直腸癌において,骨盤内臓全摘術(total pelvic exenteration;TPE)は剥離断端陰性を確保できる最終手段である。しかし,摘出すべき骨盤臓器は高度癌浸潤のために極端に膨張・増大していることが多い。そのため,骨盤壁と骨盤臓器の狭い空間で内腸骨血管を安全に結紮切離して,剥離断端陰性を達成することは至難の業である。そこで,ジャックナイフ体位での経肛門的内視鏡アプローチを導入することで,DVC(deep dorsal vein complex)および内腸骨血管を良好な術野のもと安全に処理することが可能となった。とくに,今回の症例のようにイレウスを合併しており腹腔内操作が困難な症例には,ジャックナイフ体位による経肛門的内視鏡下骨盤内臓全摘術(transanal TPE;taTPE)が最適と思われるので報告する。
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