特集 イラストで見る消化器癌手術アトラス
Ⅲ 大腸 10 局所進行直腸癌に対する腹腔鏡下骨盤内臓全摘術
安井 昌義
1
,
藤井 善章
1
,
原口 直紹
1
,
西村 潤一
1
,
松田 宙
1
,
大植 雅之
1
1大阪国際がんセンター消化器外科
キーワード:
骨盤内臓全摘術
,
腹腔鏡手術
,
直腸癌
Keyword:
骨盤内臓全摘術
,
腹腔鏡手術
,
直腸癌
pp.863-869
発行日 2023年5月31日
Published Date 2023/5/31
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003341
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骨盤内臓全摘術(total pelvic exenteration;TPE)とは,腫瘍学的に安全なマージンを保ち悪性腫瘍の完全切除を目的として,直腸周囲臓器を合併切除する術式であり,直腸周囲の隣接臓器浸潤を伴う局所進行直腸癌に対して行われる。男性患者では直腸に加えて肛門,尿管の一部,膀胱,精囊,前立腺をen blocに切除する術式である。女性患者では直腸の腹側には腟・子宮があることから,直腸癌患者で膀胱を含む合併切除を必要とすることはまれであり,直腸・肛門・腟・子宮・付属器を切除する場合は,後方骨盤内臓全摘術といわれる。直腸癌に対する腹腔鏡手術は急速に普及しつつある。通常の直腸切除・切断術と同様に,腹腔鏡による拡大視効果や気腹圧による出血量の減少などの利点は,周囲臓器切除を要する骨盤内臓全摘術においても得られることから,腹腔鏡下骨盤内臓全摘術の有用性も期待される。
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