特集 食道癌・胃癌手術におけるリンパ節郭清の理論と手技
Ⅲ.胃 2)ロボット支援下脾温存脾門郭清のknack and pitfalls
徳永 正則
1
,
佐藤 雄哉
1
,
奥野 圭佑
1
,
星野 明弘
1
,
松山 貴俊
1
,
絹笠 祐介
1
1東京医科歯科大学消化管外科
キーワード:
ロボット
,
胃癌
,
脾温存
Keyword:
ロボット
,
胃癌
,
脾温存
pp.179-184
発行日 2021年2月15日
Published Date 2021/2/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000002058
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上部進行胃癌に対しては,脾門リンパ節の完全郭清を目的とした脾臓摘出(脾摘)が行われてきた。しかし,JCOG0110「上部進行胃癌に対する胃全摘術における脾合併切除の意義に関するランダム化比較試験」の結果,脾摘は術後合併症発生割合を増加させるにもかかわらず生存には寄与しないことが示された。この結果を受け,大彎線に浸潤のない上部進行胃癌に対する標準治療は,脾温存胃全摘となった1)。一方で,大彎線に浸潤を伴う上部進行胃癌では,脾門リンパ節に一定の郭清効果が報告されている。そのため,JCOG0110では除外されており,これらの対象に対する脾摘あるいは脾門郭清の要否は,いまだにunanswered clinical questionであり,治療開発が望まれる。
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