手術手技
直腸脱に対するメッシュを用いた腹腔鏡下直腸固定術─根治性を損なわず,合併症を減らす工夫
三宅 修輔
1
,
古賀 靖大
1
,
堀田 千恵子
1
,
川嶋 裕資
1
,
下西 智徳
1
,
廣橋 喜美
1
1高邦会 高木病院外科
キーワード:
直腸脱
,
内視鏡外科手術
,
laparoscopic ventral rectopexy
Keyword:
直腸脱
,
内視鏡外科手術
,
laparoscopic ventral rectopexy
pp.1607-1611
発行日 2020年10月15日
Published Date 2020/10/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001901
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直腸脱は肛門疾患のなかでは比較的頻度は低いものの1),近年,日本では高齢化が進んでおり,日常診療において遭遇する患者数は増加することが予測される。直腸脱に対する手術方法は数多く報告2)されているが,低侵襲とされているGant─三輪法やThiersch法に代表される会陰側アプローチと,再発率が低いとされている直腸固定術などの腹腔側アプローチに大別される。会陰側アプローチは腰椎麻酔下で施行可能であることなど,その低侵襲性から,高齢患者の多い本疾患で従来選択されることが多かった。近年では内視鏡外科手術の進歩に伴い,再発率が低く,低侵襲に施行可能である腹腔鏡下直腸固定術が普及してきており,わが国でも2012年に保険収載された。その術式については,人工物の使用の有無や固定法などにおいて,さまざまな術式と成績が報告されている3)。当院においても根治性を担保しつつ,合併症を少しでも減らすことを目標に,メッシュを用いた腹腔鏡下直腸固定術を施行してきた。本稿では当院で施行している術式を報告する。
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