手術手技
縫合不全ゼロを目指した食道切除後再建胃管superdrainage
谷口 堅
1
,
小林 慎一朗
2
,
藤岡 正樹
3
1独立行政法人国立病院機構 長崎医療センター外科/長崎みなとメディカルセンター消化器外科
2独立行政法人国立病院機構 長崎医療センター外科
3独立行政法人国立病院機構 長崎医療センター形成外科
キーワード:
吻合部狭窄
,
縫合不全
,
静脈吻合
Keyword:
吻合部狭窄
,
縫合不全
,
静脈吻合
pp.1487-1491
発行日 2020年9月15日
Published Date 2020/9/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001862
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
胸部食道癌に対する食道切除術の再建臓器として胃管が頻用されているが,縫合不全,吻合部狭窄などの合併症を少なからず経験する。食道胃管吻合は胃管の血行動態上,最も不利な口側端部で施行せざるを得ないことが一因であろう。そのため,吻合部付近の胃管血流維持,とくに虚血の回避に関しては,これまでさまざまな工夫がなされてきた。一方,形成外科領域では皮弁のうっ血が皮弁壊死をきたす原因となることが知られており1,2),また,うっ血皮弁と虚血皮弁を比較した場合,血流再開後の皮弁の回復はうっ血皮弁のほうが困難とされる3)。動物実験では5分間の空腸うっ血すら組織障害の原因となり4),消化管粘膜はうっ血に対して脆弱である。
Copyright © 2020, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.