特集 消化器外科手術の論点2020 誌上ディベートと手術手技
大腸外科 11 直腸癌手術における最適な剥離層
田澤 美也子
1
,
戸田 重夫
2
1東京医科歯科大学医学部消化管外科
2虎の門病院消化器外科
pp.547-547
発行日 2020年3月31日
Published Date 2020/3/31
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001633
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直腸周囲には幾重にも筋膜が存在し,直腸癌手術において代表的な3つの剥離層,a・b・c層が存在する。直腸癌手術では癌の根治性の確保と術後泌尿生殖器系障害の発生がpitfallとなるが,それには剥離層の選択が重要となる。われわれは癌の腫瘍学的特徴や術者の技能を考慮しながら,多くの症例で直腸固有筋膜とDenonvilliers筋膜・下腹神経前筋膜の間の「a層」での剥離を行っている。a層での剥離を行ってきた静岡県立静岡がんセンターからの報告では神経障害の少なさと再発率の低さが示されている。
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