特集 消化器外科手術の論点2020 誌上ディベートと手術手技
胃外科 6 噴門側胃切除後の再建法 観音開き法の立場から
黒田 新士
1
,
西﨑 正彦
1
,
菊地 覚次
1
,
高田 暢夫
1
,
香川 俊輔
1
,
藤原 俊義
1
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科消化器外科学
キーワード:
観音開き法再建
,
胃食道逆流防止
,
吻合部狭窄
Keyword:
観音開き法再建
,
胃食道逆流防止
,
吻合部狭窄
pp.477-483
発行日 2020年3月31日
Published Date 2020/3/31
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001620
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噴門側胃切除術後の再建法としては,近年,腹腔鏡手術の普及も伴い,食道残胃吻合法とダブルトラクト法が主流となってきているように感じる。食道残胃吻合法は生理的で機能温存の面からも理想的であるが,課題は効率的な胃食道逆流の防止であり,単純な食道残胃吻合法は胃食道逆流の発生により大幅な術後QOLの低下につながる可能性がある。一方でダブルトラクト法は,胃食道逆流の頻度は少ないものの,食物が残胃を経由せずに直接小腸に流れ込むことによる機能温存面での課題や,術後の残胃観察の困難性などの問題がある。それぞれ一長一短があるが,効果的な逆流防止機構を有する食道残胃吻合法が開発されれば,それが最も理想的な再建法ではないかと思われる。
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