特集 鼠径部ヘルニア手術を極める
膨潤腹腔鏡下ヘルニア修復術─膨潤TAPP手技
徳村 弘実
1
,
松田 泰史
1
,
名久井 祐子
1
,
佐藤 亜美
1
,
赤田 昌紀
1
,
成島 陽一
1
1東北労災病院外科
キーワード:
腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術
,
TAPP
,
膨潤法
Keyword:
腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術
,
TAPP
,
膨潤法
pp.171-178
発行日 2020年2月15日
Published Date 2020/2/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001538
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鼠径ヘルニアに対する腹腔鏡下ヘルニア手術(laparoscopic inguinal hernia repair;LIHR)は,最近10年で著しく増加した。術後疼痛の軽減,早期回復,早期社会復帰,メッシュ感染がほとんどないことなどの利点はもちろんであるが,外科学界に近年,多くの手術をできるだけ低侵襲内視鏡手術で行おうというトレンドがあること,さらに日本国内における診療報酬上の引き上げがあったため,鼠径部切開法を置き換える形でLIHRは増加していった1-6)。他方,多種あるヘルニア術式に関しては,議論の末,現在一定の見解に収束しつつある。すなわち,唯一の術式ですべてのヘルニアをカバーできないこと1,7),LIHRはヘルニア手術全体の3分の1程度を占める術式となっているのが実態といえよう。
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