特集 ICG蛍光法を用いた肝胆道外科手術
Ⅱ.各論 6)ICG蛍光法による胆嚢静脈灌流域を同定・切除するcT2胆嚢癌に対する拡大胆嚢摘出術
河地 茂行
1
,
千葉 斉一
1
,
筒井 りな
1
,
富田 晃一
1
,
佐野 達
1
,
島津 元秀
2
1東京医科大学八王子医療センター消化器外科・移植外科
2多摩丘陵病院外科
キーワード:
ICG蛍光法
,
胆嚢静脈灌流域
,
cT2胆嚢癌
Keyword:
ICG蛍光法
,
胆嚢静脈灌流域
,
cT2胆嚢癌
pp.1445-1450
発行日 2019年9月15日
Published Date 2019/9/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001387
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胆嚢癌の手術は,病変の深達度により大きく異なる。粘膜や筋層までの病変では腹腔鏡下胆嚢摘出術(laparoscopic cholecystectomy;Lap-C)でも根治可能である可能性が高い一方で,肝床や肝十二指腸間膜浸潤を伴う高度進行胆嚢癌では,肝葉切除に加えて膵頭十二指腸切除が施行されることもあるが,その成績は満足できるものではない。漿膜下層(subserosal;SS)に浸潤したcT2胆嚢癌ではリンパ節転移や肝転移の可能性が生じ,胆摘だけでは根治できないが,肝床切除と肝十二指腸間膜のリンパ節郭清を加える拡大胆嚢摘出術により,比較的良好な予後が得られている1)。肝床切除は,肝転移が生じ得る範囲の肝臓を切除するというコンセプトで行われているが,その範囲は現在まで明確に規定することができず2),施設により胆嚢から2 cm程度の範囲で肝床切除したり,系統的にS4a+S5切除を施行したり,さまざまな方針が取られているのが実情である。
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