特集 術後1週間の患者管理
Ⅰ.術式別:術後1週間の患者管理
8.胆嚢・胆管手術
拡大胆嚢摘出術
島津 元秀
1
,
若林 剛
1
,
北島 政樹
1
1慶應義塾大学医学部外科
pp.165-169
発行日 1995年10月30日
Published Date 1995/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902040
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拡大胆嚢摘出術とは胆嚢癌に対して肝床切除とともに所属リンパ節の郭清を行う術式を意味するが,肝床切除といっても肝切除範囲には様々なバリエーションがある.さらに,癌の進展状況によっては胆管切除・再建を併施する場合もあるが,一般的には早期の胆嚢癌が本術式の適応である.手術侵襲としてはあまり大きなものではないが,手術操作が肝実質,肝門部ならびに肝十二指腸間膜に及ぶため,出血,胆汁瘻,肝障害,肝動脈・門脈・胆管の損傷などの種々の合併症・副損傷をきたす危険性がある.術後は,全身管理とともにこのような局所的要因に起因する合併症にも留意して管理する必要がある.
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