特集 術前ワークアップマニュアル—入院から手術当日までの患者管理
Ⅰ.術式別:術前患者管理の実際
8.胆嚢・胆管手術
拡大胆嚢摘出術
亀山 仁一
1
,
川村 博司
2
1山形大学医学部第1外科
2三友堂病院外科
pp.159-163
発行日 1996年10月30日
Published Date 1996/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902468
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拡大胆嚢摘出術は主としてpmあるいは一部のss胆嚢癌に対して,胆嚢摘出と同時に肝床を合併切除し,さらにリンパ節郭清を行う術式である.肝床切除とは肝S4・S5の部分切除を意味するが,腫瘍の占居部位,深達度,浸潤増殖様式,脈管侵襲の程度により,より侵襲の大きな拡大手術に変更する場合もある.術前には画像診断などによってできるだけ正確な進行度分類を行うように努めるが,ときに困難な場合もあり,各臓器の術前機能評価,術前準備も術中の拡大手術への術式の変更の可能性を考慮に入れて万全にしておくべきである.患者やその家族に対しては,進行度と予後,手術法とその危険性,起こりうる合併症に関して,インフォームドコンセントを行っておく必要がある.
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