特集 術前ワークアップマニュアル—入院から手術当日までの患者管理
Ⅰ.術式別:術前患者管理の実際
8.胆嚢・胆管手術
胆嚢摘出術
内山 和久
1
,
谷村 弘
1
,
大西 博信
1
,
山崎 茂樹
1
1和歌山県立医科大学第2外科
pp.154-158
発行日 1996年10月30日
Published Date 1996/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902467
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
腹腔鏡下胆嚢摘出術が普及し,胆嚢摘出術の80%がその適応とされる現在,敢えて開腹下胆嚢摘出術を選択すべき疾患は,①癌の合併が疑われたり,②高度の炎症を伴うため緊急手術を要するなど特殊な場合のみとなった.したがって,術前管理も絶食下で輸液管理を行ったり,鎮痛剤や抗菌薬を投与しながら個々の症例で異なった工夫が必要となる.このように特殊な病態下では,単に胆嚢を摘出するだけの手術とはいえ,十分に患者の全身状態を把握し,できる限りの胆道精査を行い最良の状態で開腹手術を行うことが必要である.これにより,術後合併症の発生を最小限に防止できる.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.