手術手技
右側結腸授動による側方アプローチを重視した腹腔鏡下横行結腸切除術
梶原 由規
1
,
神藤 英二
1
,
岡本 耕一
1
,
上野 秀樹
1
1防衛医科大学校外科学講座
キーワード:
横行結腸癌
,
腹腔鏡下横行結腸切除
,
側方アプローチ
Keyword:
横行結腸癌
,
腹腔鏡下横行結腸切除
,
側方アプローチ
pp.913-921
発行日 2019年5月15日
Published Date 2019/5/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001222
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横行結腸癌は,開腹手術と腹腔鏡手術を比較する国内外の大規模ランダム化比較試験の対象より除外されており1-4),わが国の大腸癌治療ガイドラインにおいても,ほかの結腸癌に比較して難度が高いことに留意すべきとされている5)。横行結腸切除が高難度である理由の1つとして,横行結腸の解剖学的特性が挙げられる。すなわち,副右結腸静脈や副中結腸動脈の有無をはじめとする動静脈系のバリエーションの多さと,これに伴う横行結腸間膜基部の構造の特異性が,横行結腸間膜の解剖理解を困難としている。一般的に横行結腸癌に対する腹腔鏡手術は間膜の頭側または尾側からアプローチする術式が議論されるが,横行結腸間膜はほかの結腸間膜のような単純な膜様の構造ではなく,その基部では頭尾側に厚みのある構造を呈しており(図1),一方向からのアプローチでは間膜内の血管構造の把握が困難である。
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