手術手技
3D-CTを用いた静脈解剖の観点からみたsurgical trunkのリンパ節郭清
石崎 哲央
1
,
勝又 健次
1
,
真崎 純一
1
,
和田 貴宏
1
,
榎本 正統
1
,
土田 明彦
1
1東京医科大学病院消化器外科・小児外科
キーワード:
腹腔鏡手術
,
surgical trunk
,
3D-CT
Keyword:
腹腔鏡手術
,
surgical trunk
,
3D-CT
pp.777-781
発行日 2019年4月15日
Published Date 2019/4/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001184
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1991年,最初に右側結腸癌に対する腹腔鏡手術1)が報告された。当時のリンパ節郭清は小開腹創を介して行われていたが手術デバイスの進歩と腹腔鏡手術手技の向上により現在では腹腔鏡の拡大視効果を利用した精緻なリンパ節郭清が可能となった。また結腸癌の手術においてCME2)(complete mesocolic excision)の観念が導入されて手術成績は7~15%改善した。CMEを完遂するにはCVL3)(central vascular ligation)が必須条件であり右側結腸癌では複雑な解剖を伴うsurgical trunkの郭清が重要視される。surgical trunkは静脈を意識した慎重な郭清手技が必要であり,とくにGCT(gastrocolic trunk)に関連する静脈からの出血リスクは16.4%4)と報告されている。同部のsevere bleedingは腹腔鏡手術から開腹手術へ移行せざるを得ない事態を招くため術前に3D-CT(three-dimensional computer tomography)でGCTを指標として血管どうしの位置関係を把握して処理すべき静脈と本数を明確にしておくことが安全なsurgical trunkのリンパ節郭清を導くと考える。出血リスクの回避による的確な動脈根部処理のためには剥離層の容易なvein guide surgeryが重要と考え3D-CTを用いたsurgical trunkのリンパ節郭清について述べる。
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