特集 内視鏡外科手術に必要な局所解剖─結腸・直腸
腹腔鏡下括約筋間直腸切除術(ISR)に必要な局所解剖
日吉 幸晴
1
,
福長 洋介
1
1がん研有明病院大腸外科
キーワード:
直腸癌
,
ISR
,
肛門温存
Keyword:
直腸癌
,
ISR
,
肛門温存
pp.1849-1855
発行日 2020年12月15日
Published Date 2020/12/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001976
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肛門管近傍の腫瘍に対する括約筋間直腸切除術(intersphincteric resection;ISR)は,1994年のSchiesselらによる報告1)以降,腹会陰式直腸切断術(abdominoperineal resection;APR)に代わる肛門温存手術として広く普及してきた。内視鏡外科手術の拡大視効果によって,狭い骨盤内でも精細な解剖認識が可能になり,ISRの根治性向上と機能温存が治療成績向上につながっている2)。さらに近年では,ISRの新しいアプローチとして経肛門的に直腸間膜全切除(total mesorectal excision;TME)を行うtaTME(transanal TME)3)や,ロボット支援手術4)が普及しつつある。また,当科では,後述するように症例を選択してpull-through法によるISR(一時的回腸人工肛門を造設せず,2期的に経肛門吻合を行う方法)も行っている。
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