手術症例報告
重症急性膵炎後の被包化壊死に対して腹腔鏡下ネクロセクトミーを行った1 例
井上 雅史
1
,
首藤 毅
1
,
瀬尾 信吾
1
,
伊禮 俊充
1
,
清水 洋祐
1
,
田代 裕尊
1
1国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター外科
キーワード:
WON
,
ネクロセクトミー
,
腹腔鏡手術
Keyword:
WON
,
ネクロセクトミー
,
腹腔鏡手術
pp.217-221
発行日 2018年2月15日
Published Date 2018/2/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000000574
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2012 年の改訂アトランタ分類により,膵炎の局所合併症としてみられる限局した液状物質貯留は,壊死のあり・なし,発症からの経過時間により4 カテゴリーに分類された1)。すなわち,間質性浮腫性膵炎後に発生してくる液体貯留を,発症後4 週以内の急性膵周囲液体貯留(acute peripancreaticfluid;APFC)と4 週以降の膵仮性嚢胞(pancreatic pseudocyst;PPC) に分類し,壊死性膵炎後に発生してくる壊死性貯留を発症後4 週以内の急性壊死性貯留(acute necrotic collection;ANC),4 週以降の被包化壊死(walledoffnecrosis;WON)に分類している。壊死性膵炎に対してはインターベンション治療の適応とされており,壊死層が十分に被包化されたWONの時期に行うことが推奨されている2)。また,低侵襲的アプローチから侵襲的アプローチへと,治療効果に従って段階的に侵襲の程度を強めていく方法( step-up approach法) が普及してきている。
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