特集 腹腔鏡下肝切除に必要な外科解剖と手術手技
腹腔鏡下肝切除に必要な外科解剖
小倉 俊郎
1
,
伴 大輔
1
,
工藤 篤
1
,
田邉 稔
1
1東京医科歯科大学肝胆膵外科
キーワード:
肝臓解剖
,
肝臓区域
,
解剖変異
Keyword:
肝臓解剖
,
肝臓区域
,
解剖変異
pp.1701-1709
発行日 2017年12月15日
Published Date 2017/12/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000000501
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肝臓は動脈および門脈による2 重の流入血支配を受け,産生した胆汁を流出する胆管とともにGlisson を構成する。肝内においてはGlisson と流出系血管である肝静脈が立体的な関係を構築している。肝内における脈管の走行は変異に富んでおり,肝切除手術を行うにあたってはその解剖の習熟が重要であることはいうまでもない。腹腔鏡下肝切除術において特別に開腹手術と異なる解剖理解が必要ということはなく,各脈管の基本的走行関係や変異の型式についての知識を獲得したうえで手術に臨むべきである。腹腔鏡手術が開腹手術と異にすることは尾側や背側からの視野(caudalview)を得ることができる点であり,それを理解することで肝臓解剖の習得がより進むものと思われる。
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