Japanese
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特集 抗酸菌感染症
MALDI-TOF MSを用いて迅速に診断できたMycobacterium marinum感染症の1例
Mycobacterium marinum infection diagnosed rapidly using MALDI-TOF MS
岡 優実
1
,
飯田 裕里佳
1
,
竹内 千尋
1
,
池町 真実
2
,
竹川 啓史
2
,
山本 剛
2
,
鷲尾 健
1
Yumi OKA
1
,
Yurika IIDA
1
,
Chihiro TAKEUCHI
1
,
Mami IKEMACHI
2
,
Hiroshi TAKEGAWA
2
,
Go YAMAMOTO
2
,
Ken WASHIO
1
1神戸市立西神戸医療センター,皮膚科(主任:鷲尾 健部長代行)
2同,臨床検査技術部
キーワード:
Mycobacterium marinum
,
MALDI-TOF MS
Keyword:
Mycobacterium marinum
,
MALDI-TOF MS
pp.1247-1250
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000005371
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48歳,男性。熱帯魚飼育あり。左示指に皮下結節が出現し,徐々に増大傾向であったため当科を受診した。皮膚生検を行い,抗酸菌培養では25℃,30℃の培地でのみコロニー形成を認めた。マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間質量分析計(MALDI-TOF MS)のパターンとあわせてMycobacterium marinum感染症と診断した。クラリスロマイシン,リファンピシン,エタンブトールの3剤内服開始後に結節は縮小したが一部残存したため外科的に切除を追加した。手術検体の抗酸菌培養は陰性であり,その後略治した。自験例ではMALDI-TOF MSを用いて迅速な同定が可能であった。MALDI-TOF MSでは誤判定の可能性もあるが,培養所見とあわせて診断をつけることは可能である。今後はデーターベースの拡大によりさらなる同定精度の向上が期待される。

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