手指より拡大したExtensive Subcutaneous Sarcoidosisの1例

Extensive subcutaneous sarcoidosis expanding from the fingers

79歳，女性。3カ月前より手指に皮下硬結が出現した。その後，前腕，膝にまで皮下硬結の拡大がみられたため当科を受診した。初診時，両小指，両前腕，両膝周囲に皮下硬結を認めた。病理組織像では真皮から皮下脂肪織内に多核巨細胞を伴う非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認め，皮下サルコイドの所見であった。2領域以上の広範囲に皮下硬結を呈しておりextensive subcutaneous sarcoidosisと診断した。精査を行い，眼病変の合併，両側肺門部リンパ節腫脹も認めた。ミノサイクリンとトラニラスト内服を行うも改善なく，皮膚病変が広範囲に及んでおり圧痛もあったため，ステロイド内服の適応があると判断し，プレドニゾロン30mg（0.5mg/kg）内服を開始した。ステロイド内服により硬結は縮小傾向を示した。手指より発生したサルコイドーシスの発生機序とextensive subcutaneous sarcoidosisの文献的考察を加えて報告した。