Japanese
English
特集 膠原病
脱毛から診断に至った高齢期発症の全身性エリテマトーデスの1例
Elderly-onset systemic lupus erythematosus presenting with hair loss
松本 真理
1
,
横山 恵美
1
,
川上 佳夫
1
,
勝山 恵理
2
,
山口 春佳
3
,
森実 真
1
Mari MATSUMOTO
1
,
Emi YOKOYAMA
1
,
Yoshio KAWAKAMI
1
,
Eri KATSUYAMA
2
,
Haruka YAMAGUCHI
3
,
Shin MORIZANE
1
1岡山大学学術研究院医歯薬学学域,皮膚科学分野(主任:森実 真教授)
2同,腎・免疫・内分泌代謝内科学分野
3岡山済生会総合病院,皮膚科
キーワード:
全身性エリテマトーデス
,
非瘢痕性脱毛
,
トリコスコピー
,
ヒドロキシクロロキン
Keyword:
全身性エリテマトーデス
,
非瘢痕性脱毛
,
トリコスコピー
,
ヒドロキシクロロキン
pp.1207-1210
発行日 2024年8月1日
Published Date 2024/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004705
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76歳,女性。3カ月前から頭頂部に脱毛が生じ,ステロイド外用薬は無効であった。血液検査で抗核抗体640倍と汎血球減少を認めた。頭頂部に8×8cmの不整形脱毛斑がみられ,辺縁に紅斑を伴っていた。トリコスコピーでは毛包間の毛細血管拡張や,shiny white linesを認めた。皮膚生検では真皮深層から脂肪織の毛囊周囲にリンパ球の浸潤と軽度の線維化がみられ,アルシアンブルー染色で周囲結合織へのびまん性のムチン沈着を認めた。限局性非瘢痕性脱毛を伴う全身性エリテマトーデスと診断した。プレドニゾロン10mg/日,ヒドロキシクロロキン200mg/日を開始し,脱毛は徐々に改善した。高齢者であっても紅斑を伴う脱毛をみた際は全身性エリテマトーデスを鑑別に考えることが重要である。
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