Japanese
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特集 悪性上皮系腫瘍
多発有棘細胞癌が診断の契機となったLynch症候群の1例
Lynch syndrome diagnosed with recurrent cutaneous squamous cell carcinomas
西尾 次郎
1
,
石井 貴之
1
,
八田 尚人
1
Jiro NISHIO
1
,
Takayuki ISHII
1
,
Naohito HATTA
1
1富山県立中央病院,皮膚科(主任:八田尚人部長)
キーワード:
遺伝性腫瘍
,
サーベイランス
,
大腸癌
,
ミスマッチ修復遺伝子
,
Muir-Torre症候群
Keyword:
遺伝性腫瘍
,
サーベイランス
,
大腸癌
,
ミスマッチ修復遺伝子
,
Muir-Torre症候群
pp.1791-1794
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004898
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67歳時に左手外側縁,73歳時に左足背と左手背に有棘細胞癌を発症した男性患者。既往歴に47歳時に胃癌,55と60歳時に大腸癌があり,3人の子どもにも胃癌あるいは大腸癌の罹患歴があった。有棘細胞癌の組織においてMLH1およびPMS2蛋白の発現消失がみられた。遺伝学的検査でMLH1遺伝子に既知の病的バリアントが確認されたのでLynch症候群と診断した。Lynch症候群の関連腫瘍としてMuir-Torre症候群にみられるケラトアカントーマや脂腺系腫瘍が知られているが,有棘細胞癌も考慮すべきである。Lynch症候群のような遺伝性腫瘍は定期的なサーベイランスが必要であり,関連腫瘍を診療する機会のある皮膚科医の参画も必要であろう。
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