Japanese
English
症例報告
免疫組織化学染色にてミスマッチ修復遺伝子の変異を推定できたMuir-Torre症候群の1例
A case of Muir-Torre syndrome in which mismatch repair gene mutations was deduced by immunohistochemical staining
望月 珠江
1
,
常深 祐一郎
1
,
石黒 直子
1
Tamae MOCHIZUKI
1
,
Yuichirou TSUNEMI
1
,
Naoko ISHIGURO
1
1東京女子医科大学皮膚科
1Department of Dermatology, Tokyo Women's Medical University, Tokyo, Japan
キーワード:
ミスマッチ修復遺伝子
,
MSH2
,
MLH1
,
MSH6
,
Muir-Torre症候群
Keyword:
ミスマッチ修復遺伝子
,
MSH2
,
MLH1
,
MSH6
,
Muir-Torre症候群
pp.915-919
発行日 2019年10月1日
Published Date 2019/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205868
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要約 50歳,男性.X−3年に胸部の脂腺腫,X年に右側頭部の脂腺癌を切除した.X年に頭部および顔面に黄色から紅色の結節が出現し,増数した.頭部と顔面の結節は,病理組織学的に真皮内に境界明瞭な結節状病変があり,細胞質が泡沫状で核小体の目立つ核をもつ細胞が密に増殖していた.細胞の大きさには大小あり,核分裂像が散見し,切除した3個の結節すべてを脂腺癌と診断した.免疫組織学染色でMLH1とMSH6の遺伝子産物に対する抗体では腫瘍細胞は染色されず,変異が疑われた.Muir-Torre症候群の診断基準は満たさなかったが,ミスマッチ修復遺伝子の変異が推定され,内臓悪性腫瘍の発生を念頭においた経過観察を行ったところ,X+3年に結腸癌が発生した.この時点で診断基準を満たした.多発する脂腺系腫瘍ではミスマッチ修復遺伝子の検索を行い,異常があった場合は,内臓悪性腫瘍の出現に留意してフォローする必要がある.
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