Japanese
English
症例報告
左顔面の多汗を主訴とした特発性harlequin症候群の1例
A case of idiopathic harlequin syndrome with hyperhidrosis of the left face
片桐 正博
1
,
並木 剛
1
,
横関 博雄
1
Masahiro KATAGIRI
1
,
Takeshi NAMIKI
1
,
Hiroo YOKOZEKI
1
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科皮膚科学分野
1Department of Dermatology, Tokyo Medical and Dental University, Tokyo, JAPAN
キーワード:
Harlequin症候群
,
分節型無汗症
,
ミノール法
,
Horner症候群
Keyword:
Harlequin症候群
,
分節型無汗症
,
ミノール法
,
Horner症候群
pp.49-54
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206249
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要約 67歳,女性.2年前より,運動や入浴時に左顔面の紅潮や発汗増加を生じていた.近医で頭部MRIを撮像するも異常なく,精査加療目的に当科受診となった.入浴後では左頰部が右頰部と比較してやや紅潮しており,ミノール法では右顔面全体に発汗低下を認めたが,軀幹と四肢ではおおむね発汗は保たれていた.無汗部である右頰部からの皮膚生検では,汗腺の萎縮や汗腺周囲にリンパ球などの炎症細胞浸潤を認めなかった.また画像検査でも右顔面の発汗低下を生じうる明らかな腫瘍性病変や脳血管障害を認めず,特発性harlequin症候群と診断した.患者は日常生活で支障をきたしておらず,経過観察の方針となった.Harlequin症候群は稀な疾患であるが,特発性に生じるほか,基礎疾患として腫瘍性・血管性病変などを原因として症候性に生じる場合があるため,基礎疾患の有無の検索を行うことが大切である.
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