Japanese
English
特集 熱傷
自傷行為によるリストカット瘢痕部の熱傷の1例
Self-inflicted burn at the scar of wrist cutting
酒井 伽奈
1
,
山本 有紀
1
,
平田 真之将
2
,
神人 正寿
1
Kana SAKAI
1
,
Yuki YAMAMOTO
1
,
Shinnosuke HIRATA
2
,
Masatoshi JINNIN
1
1和歌山県立医科大学,皮膚科(主任:神人正寿教授)
2同,神経精神科
キーワード:
熱傷
,
自傷
,
リストカット
,
瘢痕
Keyword:
熱傷
,
自傷
,
リストカット
,
瘢痕
pp.1054-1056
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004660
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30歳台,女性。既往に統合失調症がある。受診の12日前まで近医精神科に入院していた。自宅のシャワーで,約60℃の熱湯を3日間連続して左前腕リストカット瘢痕部に自身でかけ,翌日に両親に水疱を発見され当院救急外来を受診した。自傷行為による熱傷(Ⅰ度 1.5%,Ⅱ度 1.5%)に対して通院加療とした。しかし通院中に右前腕にも同様の熱傷を受傷した。精神科に入院のうえ,当科でも引き続き加療したところ,熱傷は治癒に至り,被害妄想や病的体験も減少したため近医精神科に転院とした。統合失調症患者の自傷行為による熱傷は,調べ得た限りこれまで数例の報告が存在するが,自験例のようなリストカット瘢痕部の熱傷は過去に認めなかったため,若干の考察を加えて報告する。
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