Japanese
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特集 梅毒
口唇硬性下疳に梅毒性ばら疹を併発した1例
Hard chancre of the upper lip with macular syphilide
榊原 絵美優
1
,
眞部 恵子
1
,
福家 和諭
2
,
木村 なちの
3
Emiyu SAKAKIHARA
1
,
Keiko MANABE
1
,
Kazutoshi FUKE
2
,
Nachino KIMURA
3
1高松赤十字病院,皮膚科(主任:眞部恵子部長)
2同,消化器内科
3同,病理診断科
キーワード:
梅毒
,
硬性下疳
,
陰部外下疳
,
梅毒性ばら疹
,
1期疹と2期疹の併発
Keyword:
梅毒
,
硬性下疳
,
陰部外下疳
,
梅毒性ばら疹
,
1期疹と2期疹の併発
pp.687-690
発行日 2024年6月1日
Published Date 2024/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004589
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38歳,女性。左口角から上口唇にかけて周囲に紅斑,表面にびらんを伴う結節が出現した。検査結果より,梅毒と判明し,口唇の結節を硬性下疳と診断した。その後,口唇の結節消退前に,手掌を含む体幹四肢に浸潤を触れる紅斑が出現した。ベンジルペニシリンベンザチン水和物240万単位筋注を行い,その6日後に皮疹は退色した。口唇の結節は隆起が改善し,びらんは縮小したが潰瘍となった。自験例は第1期梅毒疹の硬性下疳(陰部外下疳)に第2期の梅毒性ばら疹を併発した症例であり,近年,性行為の多様化に伴い,このような非典型的な症状,経過を示す報告例がみられる。早期診断,早期治療が行えるよう梅毒の臨床所見に精通する必要がある。
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