Japanese
English
症例報告
硬性下疳と梅毒性乾癬を併発した症例
A Case of Hard Chancre Associated with Psoriasis Syphilitica
石倉 多美子
1
,
岡田 芳子
1
,
川島 篤弘
2
Tamiko ISHIKURA
1
,
Yoshiko OKADA
1
,
Atsuhiro KAWASHIMA
2
1公立松任石川中央病院皮膚科
2金沢大学医学部第1病理学教室
1Division of Dermatology, Matto Ishikawa Central Hospital
2Department of Pathology, Kanazawa University, School of Medicine
キーワード:
梅毒
,
硬性下疳
,
梅毒性乾癬
Keyword:
梅毒
,
硬性下疳
,
梅毒性乾癬
pp.1081-1083
発行日 1990年10月1日
Published Date 1990/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900206
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硬性下疳と第II期梅毒疹である梅毒性乾癬を併発した57歳,男性例を報告した.陰茎冠状溝を中心に包皮内板と亀頭にかけてびまん性浮腫と硬結があり,表面には痂皮をつけた小びらんないし潰瘍が数個みられた.なお陰茎根部下面に接した陰嚢表面に浸潤のある紅いびらん面がみられた.鼠径部に無痛性横痃があった.両下腿から足背にかけて梅毒性乾癬と思われる皮疹を認めた.梅毒血清反応はガラス板法64倍,TPHA320倍.下疳部の組織像では,表皮欠損,真皮のリンパ球・形質細胞の稠密な浸潤,真皮小血管の拡張・増殖・内皮細胞腫大がみられた.スピロヘータ染色(Warthin-Starr染色)では,表皮下層および表皮真皮境界部の細胞間にTreponemapallidumと思われる螺旋体が多数認められた.治療としてAM-PC1日1.0gを8週間内服させた.皮疹はすべて消失し,梅毒血清反応抗体価は低下した.
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