症例
梅毒血清反応陰性かつ性交渉の否定により当初診断が困難であった硬性下疳の1例
稲毛 明子
1
,
吉池 高志
1順天堂大学医学部附属静岡病院 皮膚科
キーワード:
Amoxicillin
,
陰茎疾患
,
経口投与
,
梅毒血清反応
,
硬性下疳
Keyword:
Administration, Oral
,
Amoxicillin
,
Penile Diseases
,
Syphilis Serodiagnosis
pp.1763-1765
発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017077904
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45歳男性。4週間前より陰茎の発疹に気づき、その1週間後には発熱、左鼠径部の有痛性腫脹が出現し、陰茎の発疹は徐々に潰瘍化したため前医より紹介となった。初診時、陰茎部には膿苔が付着する2cm大の有痛性潰瘍があり、上行性に3cm大のポケットを形成していた。また、左鼠径部は10×3×4cm大の圧痛を伴う硬結が触知された。初診時の問診では性交渉歴なしとのことで、前医の梅毒血清反応も陰性であったが、血液検査にてRPRカード法は32倍陽性、TPHAも陽性であったことより硬性下疳と診断された。治療としてアモキシシリン水和物の投与を開始したところ、陰部の潰瘍は2週間後、左鼠径部の腫脹は3週間後に消失した。尚、その後の問診で、受診4週間前に口腔接触のあったことが判明した。
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