症例
手指に生じた硬性下疳の1例
蒲沢 美代子
1
,
菅谷 誠
1
,
佐藤 伸一
1
1東京大学,皮膚科学教室(主任:佐藤伸一教授)
キーワード:
硬性下疳
,
梅毒
,
1期疹
,
手指
,
陰部外下疳
Keyword:
硬性下疳
,
梅毒
,
1期疹
,
手指
,
陰部外下疳
pp.1769-1772
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000260
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52歳,男性。16年前に淋菌性尿道炎の既往あり。2カ月前に出現した右示指の紅色結節を主訴に受診した。病理組織上,真皮全層から皮下脂肪にリンパ球や形質細胞,組織球の浸潤を認めた。リンパ球の核異型はなく,免疫染色でもリンパ腫を示す所見はなかった。皮膚生検時の採血で,梅毒血清反応が陽性であった。詳しく問診したところ,発疹が出現する2,3週間前に感染機会があったことが判明した。アモキシシリンの投与を開始したところ,右示指の紅色結節は瘢痕形成なく治癒し,最終的に硬性下疳と診断した。陰部外に生じる硬性下疳は口腔内,口唇の報告が多いが,手指に生じる症例も報告されている。
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