Japanese
English
症例報告
硬性下疳と第2期梅毒疹の併発例に陰部疱疹を合併した症例
A Case of Hard Chancre, Secondary Syphilis Associated with Genital Herpes
寺田 文夫
1
,
山田 裕道
1
,
高森 建二
1
Fumio TERADA
1
,
Hiromichi YAMADA
1
,
Kenji TAKAMORI
1
1順天堂大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Juntendo University School of Medicine
キーワード:
硬性下疳
,
梅毒性ばら疹
,
梅毒性乾癬
,
梅毒性アンギーナ
,
陰部疱疹
Keyword:
硬性下疳
,
梅毒性ばら疹
,
梅毒性乾癬
,
梅毒性アンギーナ
,
陰部疱疹
pp.773-778
発行日 1989年6月1日
Published Date 1989/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204160
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
硬性下疽と第2期梅毒疹の併発例に陰部疱疹の合併をみた50歳の男性例を報告した.陰茎冠状溝に硬性下疽が少なくとも1個,亀頭部から包皮にかけては半米粒大から小豆大までの糜爛,小潰瘍面と紅斑が多数散在,鼠径部には無痛性横痃を認めた.躯幹四肢にばら疹,掌蹠に乾癬様皮疹,前口蓋弓および口蓋垂を中心に糜爛を伴った発赤腫脹を認めた.梅毒血清反応ではガラス板法64倍,凝集法64倍,補体結合反応1,280倍,TPHA 2,560倍.ヘルペス抗体価はHSV 1型抗体64倍,HSV 1型IgG抗体160倍陽性であった.下疳部の組織像では,真皮小血管の拡張,増生,内皮細胞の腫大,そして形質細胞とリンパ球の稠密な浸潤を認めた.また下疳部組織の蛍光抗体法により,T.pallidumとHSV 1型陽性の感染細胞を証明した.治療はバイシリン120万単位/日投与により9週後にはすべての皮疹の消失および血清反応抗体価の低下を認めた.
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.