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特集 乾癬
本邦で市販後初めてスペソリマブを導入し奏効した膿疱性乾癬の1例
The first case of pustular psoriasis successfully treated with spesolimab after its release onto Japanese market
南保 宏実
1
,
北野 佑
1
,
工藤 健太
1
,
前田 進太郎
1
,
松下 貴史
1
,
島田 由佳
2
Hiromi NAMPO
1
,
Tasuku KITANO
1
,
Kenta KUDO
1
,
Shintaro MAEDA
1
,
Takashi MATSUSHITA
1
,
Yuka SHIMADA
2
1金沢大学医薬保健研究域医学系,皮膚分子病態学(主任:松下貴史教授)
2しまだ皮ふ科クリニック,金沢市
キーワード:
汎発性膿疱性乾癬
,
スペソリマブ
,
抗IL–36抗体製剤
,
GPPGA
Keyword:
汎発性膿疱性乾癬
,
スペソリマブ
,
抗IL–36抗体製剤
,
GPPGA
pp.561-564
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004541
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69歳,男性。当科初診半年前から背部に局面が出現した。初診1カ月前より頭部や顔面に同様の皮疹が拡大した。ステロイド外用や紫外線加療が行われたが難治であった。当科初診時には,全身に鱗屑を付す紅斑,多発膿疱もみられた。病理組織像で表皮にKogojの海綿状膿疱,過角化,顆粒層の消失を認め膿疱性乾癬と診断した。急激な高熱,倦怠感,電解質異常もあり,膿疱性乾癬の急性症状に対して,抗IL–36抗体製剤のスペソリマブを2回投与した。紅斑,膿疱は速やかに消失し全身状態も改善した。本邦において治験以外で初めてスペソリマブを投与し奏効した症例を経験し,膿疱性乾癬の急性症状に対してスペソリマブは効果発現が早く,また重篤な有害事象も認めず,よい適応と考えた。
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