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特集 乾癬
重症アトピー性皮膚炎に対しデュピルマブで治療中に尋常性乾癬が出現した1例
Psoriasis vulgaris appearing during the treatment of severe atopic dermatitis with dupilumab
齋藤 聡一郎
1
,
高村 さおり
1
,
福田 知雄
1
,
寺木 祐一
1
Soichiro SAITO
1
,
Saori TAKAMURA
1
,
Tomoo FUKUDA
1
,
Yuichi TERAKI
1
1埼玉医科大学総合医療センター,皮膚科(主任:福田知雄教授)
キーワード:
アトピー性皮膚炎
,
デュピルマブ
,
乾癬
,
IL–17阻害薬
Keyword:
アトピー性皮膚炎
,
デュピルマブ
,
乾癬
,
IL–17阻害薬
pp.545-548
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004537
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21歳,男性。幼少期よりアトピー性皮膚炎があり,最近は皮疹が増悪しシクロスポリンの投与も行ったが,皮疹の改善は乏しく,デュピルマブを導入した。デュピルマブ投与前のeczema area and severity indexスコアは39.8,血清TARC値は15,100pg/ml。投与開始16週後にはそれぞれ14.8,612pg/mlまで低下したが,体幹に乾癬様の皮疹が多発してきた。病理組織学的に錯角化を伴う過角化,Munro微小膿瘍,表皮に棍棒状の肥厚,真皮乳頭層の毛細血管拡張とリンパ球浸潤がみられ,尋常性乾癬に合致した所見であった。デュピルマブを中止し,IL–17A阻害薬のイキセキズマブの投与により,乾癬は消退した。自験例はデュピルマブ投与により,Th2からTh17の環境に変化したため生じた可能性が考えられた。
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