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増刊号 検査項目と異常値からみた—緊急・重要疾患レッドページ
11章 感染性疾患・寄生動物疾患
劇症型溶血性レンサ球菌感染症
Streptococcal toxic shock syndrome(STSS)
藤谷 好弘
1
1大阪大学大学院医学系研究科感染制御学講座
pp.540-541
発行日 2019年4月15日
Published Date 2019/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542202001
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劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)とは,β溶血を示すレンサ球菌(β溶連菌)を原因とし,突発的に発症して急激に進行する敗血症性ショック病態と定義される.β溶連菌はLancefield分類でA群,B群,C群,G群などに分類され,いずれもSTSSの原因となるが,臨床的に最も頻度が高いのはA群溶連菌(GAS)である.発熱,消化器症状(食欲不振,嘔吐,下痢),全身倦怠感,低血圧などの敗血症症状,筋痛などに続き,軟部組織病変(壊死性筋膜炎含む),循環不全,呼吸不全,播種性血管内凝固症候群(DIC),肝腎障害などの多臓器不全が24時間以内に劇的に進行する.“人食いバクテリア”とも俗称されており,わが国における致命率は約30%と報告されている1).現時点では有効な予防法はなく,早期診断,早期治療が重要である.
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