Japanese
English
症例
線維筋性異形成と下肢微小動静脈瘻を有する患者に生じた下腿潰瘍の1例
Lower leg ulcer in a patient with fibromuscular dysplasia and arteriovenous fistula of the lower leg
大村 尚美
1
,
西島 千博
1
,
稲沖 真
1
,
笠島 史成
2
,
川原 繁
3
Naomi OMURA
1
,
Chihiro NISHIJIMA
1
,
Makoto INAOKI
1
,
Fuminori KASASHIMA
2
,
Shigeru KAWARA
3
1金沢医療センター,皮膚科(主任:稲沖 真部長)
2同,心臓血管外科
3金沢赤十字病院,皮膚科
キーワード:
下腿皮膚潰瘍
,
線維筋性異形成
,
下肢微小動静脈瘻
Keyword:
下腿皮膚潰瘍
,
線維筋性異形成
,
下肢微小動静脈瘻
pp.1669-1672
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004201
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68歳,男性。腹部大動脈瘤の手術歴あり。左下腿に潰瘍が出現し当科を受診した。下肢の磁気共鳴血管造影法で左浅大腿動脈に限局性狭窄があり,足関節上腕血圧比低下を伴い,下肢閉塞性動脈硬化症に伴う皮膚潰瘍を疑った。下肢動脈造影で,左浅大腿動脈に拡張と狭窄が交互に連続する数珠状の像がみられ,線維筋性異形成と診断した。また,左下腿外側の潰瘍部の静脈が動脈相で描出されたので下肢微小動静脈瘻の合併と診断した。左浅大腿動脈の狭窄に対するステント留置術と経皮的血管形成術により下肢の血流が回復し,潰瘍は上皮化した。線維筋性異形成と微小動静脈瘻はまれな疾患であるが,難治性の下腿潰瘍を診た際に原因疾患として考慮する必要がある。
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