Japanese
English
症例
幼児期から学童期までの長期経過を追った小児腹壁遠心性脂肪萎縮症の1例
11-year follow-up of lipodystrophia centrifugalis abdominalis infantilis
下山 奈穂
1
,
安田 綾子
1
,
野﨑 由生
1
,
種子島 智彦
1
,
石田 修一
1
,
水野 尚
1
Nao SHIMOYAMA
1
,
Ayako YASUDA
1
,
Yuu NOZAKI
1
,
Tomohiko TANEGASHIMA
1
,
Syuichi ISHIDA
1
,
Takashi MIZUNO
1
1小田原市立病院,皮膚科(主任:水野 尚主任部長)
キーワード:
小児腹壁遠心性脂肪萎縮症
,
乳幼児
,
陥凹
,
MRI
Keyword:
小児腹壁遠心性脂肪萎縮症
,
乳幼児
,
陥凹
,
MRI
pp.379-382
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003826
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13歳,男児。2歳時に誘因なく右鼠径部の色調変化が出現し,徐々に拡大を認めたため当科を受診した。初診時,右鼠径部に自覚症状のない手拳大の紫紅色斑を認めた。初診から2カ月後,紫紅色斑に一致して陥凹が出現した。陥凹を伴う紫紅色斑は同側大腿部や対側腹部まで遠心性に拡大し,やがて腹部の血管が透見できるようになった。6歳で病変の拡大は停止し,10歳を過ぎてからは陥凹が目立ちにくくなった。現在13歳で,1年に1度の経過観察を継続している。小児腹壁遠心性脂肪萎縮症は約80%の症例が鼠径部に発症し,13歳頃までに病変の拡大は停止すると報告されている。本疾患は長期の経過をたどる疾患であり,年単位で緩徐に皮膚所見が変化するため,長期間の経過を追うことが重要である。自験例では幼児期から学童期まで11年間の診察を継続している。腹部の皮膚所見が徐々に改善している経過を画像とともに報告した。
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