Japanese
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症例報告
紅斑にタクロリムス軟膏が有効であった小児腹壁遠心性脂肪萎縮症の1例
A case of lipodystrophia centrifugalis abdominalis infantilis with erythema effectively treated with topical tacrolimus
真屋 由佳
1
,
松村 若菜
1
,
藤村 悠
1
,
清水 聡子
1
Yuka MAYA
1
,
Wakana MATSUMURA
1
,
Yu FUJIMURA
1
,
Satoko SHIMIZU
1
1市立札幌病院皮膚科
1Department of Dermatology, Sapporo City General Hospital, Sapporo, Japan
キーワード:
小児腹壁遠心性脂肪萎縮症
,
タクロリムス軟膏
Keyword:
小児腹壁遠心性脂肪萎縮症
,
タクロリムス軟膏
pp.181-184
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206587
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要約 3歳,男児.1歳6か月頃から下腹部の皮疹が出現し,おむつ皮膚炎として悪化時に副腎皮質ホルモン剤の軟膏外用で加療されていた.徐々に拡大したため当科を受診した.初診時,臍上部から両鼠径部にわたって辺縁に淡い紅斑を伴う皮膚陥凹を認めた.紅斑部からの皮膚生検では皮下脂肪織の減少と炎症細胞浸潤がみられた.特徴的な臨床所見および病理組織学的所見から小児腹壁遠心性脂肪萎縮症と診断した.副腎皮質ホルモン剤の外用では変化がみられなかったが,タクロリムス軟膏の外用を開始したところ,紅斑は部分的に軽快した.正常部を含めた3か所から皮膚生検を施行し,病理組織学的に検討した.紅斑部では脂肪織への炎症細胞浸潤が著明であり,早期に炎症を抑制することができれば病勢を抑えられる可能性が示唆された.副腎皮質ホルモン剤による加療で効果が得られない場合は,早期にタクロリムス軟膏も治療の選択肢として検討する必要がある.
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