Bowen病を疑った表在型基底細胞癌2例におけるダーモスコピー所見の検討

Dermoscopic findings in 2 cases of superficial basal cell carcinoma suspected of Bowen’s disease

初診時にBowen病を鑑別に考え生検したところ表在型基底細胞癌であった2例を経験した。症例1：45歳，女性。下腿に2cm大の楕円形で鱗屑を伴う境界明瞭な淡紅色斑がみられた。症例2：84歳，女性。膝内側に2cm大の類円形で辺縁に環状鱗屑を伴う境界明瞭な紅褐色斑がみられた。ダーモスコピーでは，症例1，2ともにsurface scalesを認め，症例1では血管構造が不明瞭でlight brown structureless areasあり，症例2ではglomerular vesselsありと考え，いずれもBowen病を疑った。生検後に所見を見返すと，症例1で淡褐色のspoke-wheel areas，症例2でmultiple blue-gray globulesがあり，症例1，2ともに表在型基底細胞癌に有用な所見であるshiny white to red areas，short fine superficial telangiectasia，multiple small erosionがあった。これらの基底細胞癌の初期にみられる微細な所見を見逃さないことが診断に大切である。