Japanese
English
症例報告
ダーモスコピーにて主にconcentric structuresを認めた基底細胞癌の1例
A case of basal cell carcinoma with concentric structures detected by dermoscopy
宇野 優
1
,
延山 嘉眞
1
,
中川 秀己
1
Yu UNO
1
,
Yoshimasa NOBEYAMA
1
,
Hidemi NAKAGAWA
1
1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座
1Department of Dermatology, The Jikei University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
基底細胞癌
,
ダーモスコピー
,
concentric structures
Keyword:
基底細胞癌
,
ダーモスコピー
,
concentric structures
pp.605-609
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205162
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要約 56歳,男性.数年前より左前額部に黒色病変を認めた.初診時,左前額部に褐色丘疹の集簇を伴う蝉様光沢を有する局面がみられた.ダーモスコピーにて,淡褐色の類円形構造の中央に濃褐色から青灰色の円形領域からなるconcentric structuresを複数認めた.基底細胞癌を考え,生検を施行した.病理組織学的に,腫瘍細胞が真皮内に小胞巣を形成しながら増殖し,辺縁には柵状配列,裂隙の形成を認め基底細胞癌と診断した.今回,concentric structuresの中央の円形領域に一致する病理組織学的所見として,真皮浅層の胞巣で中央にメラニンの豊富な好酸性無構造領域が確認された.基底細胞癌の腫瘍胞巣の中央が低酸素状態になるとメラニンが増加することがあり,そのメラニン増加領域がconcentric structuresにおける中央の濃い領域を形成しうると考えられた.
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