軟部神経周膜腫：Low Grade Fibromyxoid Sarcomaと組織学的鑑別を要した1例

Soft tissue perineurioma histologically difficult to distinguish from low-grade fibromyxoid sarcoma

29歳，女性。左上腕に結節が出現し，MRIで粘液線維肉腫などが鑑別にあがり全摘出した。真皮深層から皮下に主座を置く腫瘍，組織形態学的には紡錘形細胞の増殖性病変であった。細胞成分の粗密差および膠原線維の増生や粘液の沈着などの所見からlow grade fibromyxoid sarcomaが疑われたが，紡錘形細胞はCD34陽性，S100蛋白陰性，stat6陰性，MUC4陰性，EMA一部陽性，claudin-1陽性，GLUT-1陽性であり，FUS-CREB3L2融合遺伝子は検出されず，軟部神経周膜腫と診断した。診断確定には免疫組織化学や遺伝子検索が有用と考えた。