Japanese
English
症例報告
CD34陽性であった軟部神経周膜腫の1例
A case of CD34-positive soft tissue perineurioma
岩田 昌史
1
,
川端 紀子
1
,
長谷川 匡
2
,
杉田 真太朗
2
Masashi IWATA
1
,
Noriko KAWABATA
1
,
Tadashi HASEGAWA
2
,
Shintaro SUGITA
2
1長浜赤十字病院皮膚科
2札幌医科大学附属病院病理診断科
1Division of Dermatology, Nagahama Red Cross Hospital, Nagahama, Japan
2Department of Surgical Pathology, Sapporo Medical University School of Medicine, Sapporo, Japan
キーワード:
軟部神経周膜腫
,
隆起性皮膚線維肉腫
,
CD34染色
Keyword:
軟部神経周膜腫
,
隆起性皮膚線維肉腫
,
CD34染色
pp.697-700
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205182
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要約 16歳,男性.2年前より左上腕近位外側に皮下腫瘤を自覚し,3cm大まで徐々に増大したため受診した.マージンなしで被膜ごと腫瘤を切除した.病理組織像では異型の乏しい類円形の腫大した核を持つ紡錘形細胞が花筵状に増殖しており,周囲は線維性偽被膜で覆われていた.紡錘形細胞はCD34陽性,S100蛋白陰性,EMA一部陽性であり腫瘤型隆起性皮膚線維肉腫を疑い追加切除を実施した.その後FISH法でPDGFB split signalは検出されず,NF2 signalの欠失,モノソミーを認めたことから軟部神経周膜腫と確定診断した.CD34陽性の紡錘形細胞が花筵状に増殖する腫瘍では,時に隆起性皮膚線維肉腫と神経周膜腫の鑑別が困難な場合がある.HE染色像,免疫染色像,遺伝子検査から総合的に診断していく必要がある.
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