Japanese
English
症例報告
小児の右手掌に発生した硬化性神経周膜腫の1例
A case of sclerosing perineurioma at the right palm of a child
藤田 有理香
1
,
前川 武雄
1
,
塚原 理恵子
1
,
小宮根 真弓
1
,
村田 哲
1
,
大槻 マミ太郎
1
Yurika FUJITA
1
,
Takeo MAEKAWA
1
,
Rieko TSUKAHARA
1
,
Mayumi KOMINE
1
,
Satoru MURATA
1
,
Mamitaro OHTSUKI
1
1自治医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Jichi Medical University, Tochigi, Japan
キーワード:
sclerosing perineurioma
,
硬化性神経周膜腫
,
小児
,
手掌
Keyword:
sclerosing perineurioma
,
硬化性神経周膜腫
,
小児
,
手掌
pp.159-162
発行日 2013年2月1日
Published Date 2013/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103542
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要約 10歳,男児.3年前より右手掌に結節が出現し,徐々に増大したため,受診した.右手掌中指環指基部に,境界明瞭なドーム状に隆起する15mm大の軟らかい結節があり,下床との可動性は保たれていた.皮膚超音波検査では,プローブによる圧迫で容易に変形する軟らかい結節で,境界は明瞭,内部は不均一な低エコー像を示し,辺縁に血流シグナルがみられた.診断,治療目的で全身麻酔下に切除し,足穹窿部からの分層植皮で再建した.病理組織学的所見では,境界明瞭な楕円形の線維性腫瘍で,辺縁は線維組織が同心円状を呈し,腫瘍は密な膠原線維間質内に類円形から紡錘形の腫瘍細胞が索状に連なっていた.免疫染色でEMAが陽性,CD34,S100蛋白,デスミンは陰性であった.硬化性神経周膜腫と診断した.硬化性神経周膜腫は若年者の手掌や指に好発し,病理組織所見では豊富な膠原線維間質のなかに小型で類円形から紡錘形の腫瘍細胞が一列に連なる索状配列を呈するという特徴があり,知っていれば診断は容易であると思われる.自験例は年齢,発生部位,病理組織像いずれも典型であった.
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