Japanese
English
症例
ステロイド外用剤の誤用により特異な病理組織学的所見を呈したスポロトリコーシスの1例
Sporotrichosis with Atypical Histological Features Induced by Inappropriate Usage of Topical Steroids
阪野 恵
1
,
井上 卓也
1
,
凌 太郎
1
,
成澤 寛
1
Kei SAKANO
1
,
Takuya INOUE
1
,
Taro SHINOGI
1
,
Yutaka NARISAWA
1
1佐賀大学医学部内科学,皮膚科(主任:成澤 寛教授)
キーワード:
スポロトリコーシス
,
深在性皮膚真菌症
,
ステロイド誤用
Keyword:
スポロトリコーシス
,
深在性皮膚真菌症
,
ステロイド誤用
pp.2062-2065
発行日 2018年12月1日
Published Date 2018/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001132
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80歳,男性。左肩部の皮疹にステロイドを外用したが難治で,病理組織学的所見をもとにクリプトコッカス感染症と診断され,イトラコナゾールを内服したが改善せず,当科を紹介受診した。当院での病理検査と組織培養結果よりスポロトリコーシスと診断,ヨウ化カリウム内服と温熱療法を併用し,著効した。前医での病理組織像はステロイド外用により修飾されたものと考えた。また,イトラコナゾールが効果不十分であったことは,菌種がSprothrix globosaであったことと関連している可能性がある。スポロトリコーシスはステロイド外用により特異な病理組織学的所見を呈し,多彩な臨床像となり得る。治療歴の確認と,真菌培養検査の必要性について再認識した。
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