Japanese
English
症例
温熱療法を行ったScedosporium apiospermumによる深在性皮膚真菌症の1例
Deep dermatomycosis caused by Scedosporium apiospermum treated with hyperthermia
望月 弘和
1
,
山口 礼門
1
,
平川 睦月
1
,
久保田 佳子
1
,
安澤 数史
1
,
望月 隆
1
Hirokazu MOCHIZUKI
1
,
Reimon YAMAGUCHI
1
,
Mutsuki HIRAKAWA
1
,
Keiko KUBOTA
1
,
Kazushi ANZAWA
1
,
Takashi MOCHIZUKI
1
1金沢医科大学,皮膚科学講座(主任:望月 隆教授)
キーワード:
Scedosporium apiospermum
,
テルビナフィン塩酸塩
,
囊腫
,
温熱療法
Keyword:
Scedosporium apiospermum
,
テルビナフィン塩酸塩
,
囊腫
,
温熱療法
pp.1571-1574
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003492
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78歳,男性。好酸球性胆管炎でプレドニゾロン7.5mg/日を内服中であった。初診2カ月前に右足に痛みが生じ,痛みが軽快した後に右足背,右下腿の皮下に小結節が出現した。結節は囊腫性で,内容物の真菌培養でScedosporium apiospermumが分離された。穿刺排膿のうえ,テルビナフィン塩酸塩内服と温熱療法を併用したところ約4カ月で略治した。自験例分離株のテルビナフィン塩酸塩のminimum inhibitory concentrationは>16μg/mlであり,その効果は乏しかったと推測した。一方,42°Cでの培養では分離株の発育は著しく抑制されたため,温熱療法の効果はあったと判断した。また,経過中に原疾患に対するプレドニゾロンが2.5mg/日まで減量されたことも良好な経過につながったと考えた。深在性皮膚真菌症では温熱療法は考慮すべき治療法のひとつと考える。
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